일본어/음운 편집하기

{{번역중|[[wikipedia:ja:日本語の音韻]]}}

 

이 문서에서는 [[일본어]] 도쿄 방언의 음운체계와, 음성학적으로 본 실제 발음(단음, 연음)을 중심으로 설명한다.

일본어는 전형적인 모라 언어로써, 장모음이나 어말의 /ɴ/ 음절이 2 모라라고 세어진다. 각 모라는 대체로 같은 길이가 되도록 발화된다. 예를 들어, {{lang|ja|ヨーロッパ}} ({{IPA|/joːroQpa/}})라는 단어는 5 모라가 된다.

핫토리 시로({{lang|ja|服部 四郎}})의 해석<ref>음소 /'/를 인정하고 시간음소({{lang|en|chroneme}}, {{lang|ja|引き音素}})를 인정하지 않는다.</ref>에서는 일본어의 모라를 이렇게 나눈다.

일본어의 모라 전체를 보여준다. 외래어에만 나타나는 음(예시: シェ)은 이 표에 포함하지 않는다.

* 위의 표는 일반적인 분류법이지만, 전문가에 따라 그 종류는 약간씩 다르다. 예를 들어, 킨다이치 하루히코는 위의 음운에 더해서 'を（うぉ）'와 'てぃ'도 일본어에 존재한다고 인정함<ref name="haruhiko">金田一春彦 「日本語の特質」 (NHKブックス, 1991년)</ref>.

* 'う' {{ipa|u}}는 일본어의 특수적인 모음이다. 도쿄 방언에서는 영어 등의 {{IPA|u}}처럼, 원순 후설모음보다 조금 중설화되고, 함께 원순성이 약해져, 중설모음처럼 장순도 원순도 아닌 중간 입술(뉴트럴이라 칭함)을 아주 약간 앞으로 내밀어 발음되는 근후설 미(微)원순 고모음 {{IPA|ɯ̜̟}}임<ref>窪園晴夫 「日本語の音声」 (1999년), p35～p37</ref>. 이는 혀와 입술의 움직임의 연관으로, 전설모음은 장순화, 중설모음은 평순뉴트럴화<ref>단, 뉴트럴은 현행 IPA 표기에서는 비원순으로, 장순과 같은 분류에 포함되어 있음)</ref>, 후설모음은 원순화되는 것이 자연스러움.<ref>ibid, p34~p35</ref>. 그러나 'う'는 모음융합에서 볼 수 있듯이, 음운상에는 아직 후설 비원순 고모음으로 기능함.<ref>ibid, p100</ref>. 또 '{{IPA|ɯᵝ}}'라는 표기도 행해지고 있음. 약한 원순성을 강조하기 위해 {{IPA|ɯ}}을 사용하는 경우도 있으나<ref>ibid, p35</ref>, 이는 본래 한국어에서 보여지는 {{IPA|i}}와 같은 완전한 장순모음이면서 {{IPA|u}}처럼 후설 고모음을 나타내는 기호로, 원순성이 점점 감소하면서 남아있음. 또한 후설모음보다 약간 전설(前舌)적인 일본어의 모음 'う'의 음성과는 다름. 또 이러한 모음은 입술과 혀의 연관에서 제외되기 때문에, 모음수가 5개 이상인 언어에는 없는 한 발생하기 드묾.

 

* ※ {{IPA| ̈}}는 중설모음, {{IPA| ̠}}는 후설모음, {{IPA| ̜}}는 근원순, {{IPA| ̹}}는 원순화, {{IPA|˕}}는 저모음을 나타내는 보조기호임.

 

* {{IPA|u}}를 제외하고, 일본어의 단모음은 스페인어나 이탈리아어의 발음과 비슷하다.

| {{lang|ja|靴}}

| {{ipa|kutuꜜ}} > {{IPA|kɯ̥tsɯ̈}}  

| {{lang|ja|圧}}

| {{lang|ja|悲観}}

| {{lang|ja|比較}}

| {{lang|ja|気質}}

| {{lang|ja|心}}

| {{lang|ja|生産}}

| {{lang|ja|半額}}

=== 声門閉鎖音挿入 ===

単語の始めと終わりで、それぞれ[[声門閉鎖音]] {{IPA|ʔ}} が発音されることがある。これは以下の言葉（単独で発音される）で表される。

{| cellpadding="3"

| {{ipa|eꜜɴ}} > {{IPA|ẽ́ɴ̀}} ~ {{IPA|ʔẽ́ɴ̀}}:

| &nbsp;

| &nbsp;

| {{ipa|kisiꜜ}} > {{IPA|kʲi̥ɕʲíʔ}}:

| kishi 岸

| &nbsp;

| &nbsp;

| {{ipa|uꜜ}} > {{IPA|ɯ́ᵝʔ}} ~ {{IPA|ʔɯ́ᵝʔ}}:

=== 長母音 ===

日本語の母音には長短の区別があるが、これを音韻的にどう解釈するかは説が分かれる。「伸ばし音素」のようなものを認めることも、長母音を単に2つの（短）母音が並んだものと考えることも可能である。（下記[[#/R/]]を参照）

== 子音 ==

!colspan="2" |<!--空-->

!colspan="2"|[[両唇音]]

!colspan="2"|[[歯茎音]]

![[そり舌音]]

!colspan="2"|[[硬口蓋音]]

!colspan="2"|[[軟口蓋音]]

![[口蓋垂音]]

![[声門音]]

!colspan="2"|[[破裂音]]

| {{ipa|[[無声両唇破裂音|p]]}} [[ぱ]]

| {{ipa|[[有声両唇破裂音|b]]}} [[ば]]

| {{ipa|[[無声歯茎破裂音|t]]}} [[た]]

| {{ipa|[[有声歯茎破裂音|d]]}} [[だ]]|| || ||

| {{ipa|[[無声軟口蓋破裂音|k]]}} [[か]]

| {{ipa|[[有声軟口蓋破裂音|ɡ]]}} [[が]]||

!colspan="2"|[[鼻音]]

| || {{ipa|[[両唇鼻音|m]]}} [[ま]]

| || {{ipa|[[歯茎鼻音|n]]}} [[な]] || || ||

| ||({{ipa|[[軟口蓋鼻音|ŋ]]}} [[か゚]])  

| {{ipa|[[口蓋垂鼻音|ɴ]]}} [[ん]]

!colspan="2"|[[ふるえ音]]

| || || ||({{ipa|[[歯茎ふるえ音|r]]}}) [[ら]] || || ||

!colspan="2"|[[はじき音]]

| || || ||({{ipa|[[歯茎はじき音|ɾ]]}} [[ら]])

| ({{ipa|[[そり舌はじき音|ɽ]]}} [[ら]]) || ||

!colspan="2"|[[摩擦音]]

| ({{ipa|[[有声両唇摩擦音|ɸ]]}} ふぁ)

| ({{ipa|[[無声両唇摩擦音|β]]}} [[ば]])

| {{ipa|[[無声歯茎摩擦音|s]]}} [[さ]]

| {{ipa|[[有声歯茎摩擦音|z]]}} [[ざ]]||

| ({{ipa|[[無声硬口蓋摩擦音|ç]]}} ひゃ)|| ||

| ({{ipa|[[有声軟口蓋摩擦音|ɣ]]}} [[が]])||

| {{ipa|[[無声声門摩擦音|h]]}} [[は]]

!colspan="2"|[[接近音]]

| {{ipa|[[両唇接近音|β̞]]}} [[わ]]|| ||

| ({{ipa|[[歯茎接近音|ɹ]]}} [[ら]])|| ||

| {{ipa|[[硬口蓋接近音|j]]}} [[や]]||

| ({{ipa|[[両唇接近音|ɰ]]}} [[わ]])||

!rowspan="3" style="width:1em" | [[側面音]]

! [[側面接近音]]

| ||({{ipa|[[歯茎側面接近音|l]]}}) [[ら]] || || || || || ||

! [[側面はじき音]]

| ||{{ipa|[[歯茎側面はじき音|ɺ]]}} [{{IPA|[[有声後部歯茎破擦音|d̠ʴ̝̆]]}}] [[ら]] || || || || || ||

* 上の表の括弧内の子音は異音である。

* {{ipa|p}}・{{ipa|t}}・{{ipa|k}} は通常弱い[[有気音]]になる<ref>服部(1984) p.113</ref>。

* 子音は {{ipa|i}} または {{ipa|j}} の前では強く[[口蓋化]]される。{{IPA|n}} → {{IPA|nʲ}}、{{IPA|p}} → {{IPA|pʲ}} など。

* {{ipa|t}}・{{ipa|d}}・{{ipa|n}} は[[舌端音]]で[[歯音]](つまり、舌は、上の歯の後ろと歯茎の前部と接触する)として調音される。 {{IPA|t&#810;}}・{{IPA|d&#810;}}・{{IPA|n&#810;}}

* {{ipa|t}}・{{ipa|d}}は[[舌端音]]で[[歯音]]、{{ipa|s}}・{{ipa|z}} は[[舌端音]]の[[歯茎音]]である。

** {{ipa|i}} の前では[[歯茎硬口蓋音]] {{IPA|t}} → {{IPA|tɕ}}、{{IPA|d}} → {{IPA|(d)ʑ}}、{{IPA|s}} → {{IPA|ɕ}}、{{IPA|z}} → {{IPA|(d)ʑ}} になる。

** {{ipa|u}} の前では[[歯茎音]] {{IPA|t}} → {{IPA|ts}}、{{IPA|d}} → {{IPA|(d)z}}、{{IPA|s}} → {{IPA|s}}、{{IPA|z}} → {{IPA|(d)z}} になる。

* {{ipa|ɸ}} は主に外来語に現れる。独立した音素とみなさないこともできる。{{ipa|u}} の前では {{ipa|h}} と区別されない。

* {{ipa|ŋ}} （[[鼻濁音|ガ行鼻濁音]]）は一部の話者にのみ現れ、それ以外の話者は {{ipa|ɡ}} と区別しない。これが {{ipa|ɡ}} と異なる音素かどうかについては議論がある。

* {{ipa|ɡ}} は（ガ行鼻濁音にならない場合）母音間では[[有声軟口蓋摩擦音|摩擦音]] {{IPA|ɣ}} になることが多い。

* {{ipa|b}} は母音間では[[有声両唇摩擦音|摩擦音]] {{IPA|β}} になることが多い<ref>服部(1984) p.74</ref>。

* {{ipa|z}} は[[破擦音]]として現れることが多い。典型的には語頭と撥音 {{ipa|ɴ}} の後で[[有声歯茎破擦音|破擦音]] {{IPA|dz}}、母音の後ろでは[[有声歯茎摩擦音|摩擦音]] {{IPA|z}} になる。

* {{ipa|r}} はさまざまな形であらわれる。服部によると調音部位も後続する母音によって異なる<ref>服部(1984) p.78</ref>。IPAハンドブックによれば<ref>Okada (1999)</ref>、

** 語頭と撥音 {{ipa|ɴ}} の後では摩擦部分の短い[[有声後部歯茎破擦音|後部歯茎破擦音]] {{IPA|d̠ʴ̝̆}} である。

** それ以外の位置では後部[[歯茎はじき音]] {{IPA|ɾ̠}} である（IPAハンドブックでは[[そり舌はじき音]] {{IPA|ɽ}} を使用している）。

** すべての位置で後部[[歯茎側面接近音]] {{IPA|l̠}} が現れることがある。

** 環境によっては後部[[歯茎接近音]] {{IPA|ɹ̠}} が現れることがある。

** また環境によっては後部[[歯茎ふるえ音]] {{IPA|r̠}} が現れることがある(お笑いタレントの出川哲朗やSMAPの中居正広などがまれに怒鳴った時とかにこの音で喋ることがある)。

* {{ipa|h}} は {{ipa|i}} の前では[[無声硬口蓋摩擦音]] {{IPA|ç}} になり、{{ipa|u}} の前では[[無声両唇摩擦音]] {{IPA|ɸ}} になる<ref>{{harvcoltxt|Okada|1991|p=95}}</ref>。

* {{ipa|w}} は母音 {{ipa|u}} と同様に、唇を突き出したり丸めたりせず、上唇と下唇を近づけて、その狭い隙間から音を出す[[両唇接近音]] {{IPA|β̞}}。英語の[[w]]の音価を持つ単語（whistle, white等）をホイッスル、ホワイトというのは、日本語のわ行が別の子音だからとも言える。この音を[[軟口蓋接近音]] {{IPA|ɰ}} で表すこともある<ref>Ladefoged (2001) p.216</ref>。

* 撥音 {{ipa|ɴ}} は、後ろが子音が続くときはその子音と同じ調音位置になる。

** {{IPA|n}}・{{IPA|t}}・{{IPA|d}} の前では[[歯茎鼻音]] {{IPA|n}} になる。

** {{IPA|m}}・{{IPA|p}}・{{IPA|b}} の前では[[両唇鼻音]] {{IPA|m}} になる。

** {{IPA|k}}・{{IPA|g}} の前では[[軟口蓋鼻音]] {{IPA|ŋ}} になる。

**母音、半母音、摩擦音または、はじき音の前のときは[[鼻母音]]になる。

**語末では通常は[[口蓋垂鼻音]] {{IPA|ɴ}}、たまに[[軟口蓋鼻音]] {{IPA|ŋ}} になる。

*破裂音の前ではその破裂音の[[内破音]]である。

*語末では[[声門閉鎖音]] {{IPA|ʔ}} になる。

** 例 あっ {{IPA|aʔ}}

=== 子音の音韻的解釈上の議論 ===

服部四郎は、母音ではじまる音節（ア行・ヤ行・ワ行）の前に子音 {{ipa|'}} があると考え<ref>服部(1960) p.290</ref>、これによっていくつかの音声的事実を説明できるとする。この音素を立てた場合、日本語のすべての音節は子音で始まることになる。柴谷方良は {{ipa|'}} の存在を疑っている<ref>Shibatani (1990) p.162</ref>。

服部四郎は、{{ipa|ŋ}} を {{ipa|ɡ}} とは別の音素とする。

* {{ipa|ooŋarasu}} （大鴉）と {{ipa|oogarasu}} （大ガラス）のような最小対がある。<ref>服部(1960) p.338</ref>

* 語頭でも {{ipa|ŋa}} 「が、（しかし……）」のように言うことがある。

ということを根拠とする。しかし、多くの学者はこれに反対している<ref>Shibatani (1990) p.172</ref>。

「チ・ツ」の子音が「タ・テ・ト」の子音と音韻的に同じかどうかについては議論がある。服部四郎は {{ipa|t}} が {{ipa|j}} {{ipa|i}} {{ipa|u}} の前だけで[[破擦音]]になる理由がないとして、{{ipa|t}} とは別に {{ipa|c}} を立てる<ref>服部(1960) p.288</ref>。しかし {{ipa|c}} を認めず、「チ・ツ」を {{ipa|ti}}・{{ipa|tu}} とする解釈もある<ref>Shibatani (1990) pp.164-166</ref>。

前者の解釈では {{ipa|ti}}・{{ipa|tu}} および {{ipa|di}}・{{ipa|du}} は「あきま」になっている（理論的には存在するが歴史的理由でその音をもつ語が存在しない）と解釈する。後者の解釈では {{ipa|di}}・{{ipa|du}} は {{ipa|zi}}・{{ipa|zu}} と[[中和 (言語学)|中和]]していると考えることになる。

服部四郎は促音を音素 {{ipa|Q}} とする。たとえば「あった」は {{ipa|aQta}} になる。これを {{ipa|atta}} と解釈することも可能である。

[[金田一春彦]]は長音のために[[長音素|引き音素]]を立てる<ref>金田一(1950)</ref>。服部四郎は音声的実体がないとしてこれに反対するが<ref>服部(1960) p.327</ref>、柴谷方良は金田一春彦に賛成する<ref>Shibatani (1990) pp.162-163</ref>。

== アクセント ==

{{main|東京式アクセント|日本語の方言のアクセント}}

日本語東京方言は[[高低アクセント]]を持つ。すなわち、一語のうちの最後に高くなるモーラが語によって決まっている。服部四郎の用語ではこれを'''アクセント核'''と呼ぶ。金田一春彦は低くなるモーラの前に'''アクセントの滝'''があると考える（[[ダウンステップ]]を参照）。

== 参考文献 ==

|author=[[金田一春彦]]

|author=[[服部四郎]]

|author=[[ピーター・ラディフォギッド|Ladefoged, Peter]]

|journal=（'''[[:en:Journal of the International Phonetic Association|Journal of the International Phonetic Association]]'''）

|doi=10.1023/A:1011221225072

== 関連項目 ==

*[[위키낱말사전:en:日本語の発音表記]]

*[[위키백과:en:Wikipedia:IPA for Japanese]]